報告「PWSの方の成人期への移行に活用できる福祉制度について」

皆様、日頃より関東PWSケアギバーズネットワークの活動にご理解ご協力をいただき、感謝申し上げます。
当ネットワークでは、PWSの方々への理解、啓発を目指し、毎年公開講演会を行ってきました。
今回は11月17日(日)ふれあい会議室渋谷にて、講師に又村あおいさん(一般社団法人 全国手をつなぐ育成会連合会 常務理事兼事務局長)を迎え、「PWSの方の成人期への移行に活用できる福祉制度について」をテーマにお話をいただきました。

会場、オンライン合わせて33名参加の中、PWSの方の支援学校高等部卒業後の進路の種類について、改めて確認できる貴重な機会となりました。

お話の中で、適正な障害支援区分判定のためには、「いつでも・どこでも・誰とでも」1から10まで全部一人でできる場合のみ「できる」となる基本についても、大きな学びとなりました。
そして又村さんから意思決定支援の大切さについて事例を交えながら熱くお話をいただき、「意思決定支援なくして、一日の生活は成り立たない、何万回も繰り返して生活が成り立つ」とのお話は強く印象に残りました。


又村さんには、当ネットワークの研修で重ねてお話をいただいてきました。貴重な視点をいつもいただけるので、このつながりをこれからも大切にしていきたいです。意思決定支援のお話の続編も次回期待しています。


引き続き行われた午後の相談テーブルには、12名の方にご参加いただきました。支援がとても難しく苦労をされている事例やよりよい方向に向かった具体的方法など、保護者の方々、支援者が一緒になって密度の濃い情報交換をすることができました。
・キーパーソンを増やすのが当面の目標
・信頼している人と安定している時に話し合うのが大切
・自分で決めたことは遂行できることが多い。
・事前のルール、決め事が大事。ルールがないと自分なりのルールを作って、その修正が難しい
・特別感が大好き
・PWSの方は本当にがんばり屋で150%でがんばっているので、できない時も支えることが大切
・将来を考えた時に、グループホームに入る時期が来る。今から見学するのはいいこと。意思決定支援の前提となる体験をするのがいい

以上のような情報交換をする中で、「大変な状況で支えている方々を知り、一緒に考えていくことで安心感を持つことができた」「(保護者として)やっと福祉のかかわり方、今後の支援の在り方について理解できた」との嬉しいご感想もいただきました。


このようなネットワークを通じて、ご本人を知る機会が増え、地域の中で安心して暮らしていかれるよう支えていきたい思いを強くしました。
今後も皆様と共にネットワークは展開していきます。   

運営委員 榎正晴